こんにちは。公認会計士・税理士の秋田英策です。
日本の地方都市において、生産年齢人口の減少は深刻な課題です。
特に「地域のセーフティネット」である社会福祉法人の現場からは、人手不足や物価高騰による経営の苦境を伺う機会が増えています。
私も会計監査や指導監査で伺った際に、法人職員の皆様から実際にそのようなお話をお聞きします。
こうした背景を受け、厚生労働省からは、社会福祉法人の「合併・事業譲渡等マニュアル」が交付されています。
今回は令和8年3月31日の改訂版と社会福祉法人の現状について私が感じていることを綴ります。
1. 改定マニュアルのポイント
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経営基盤の強化: 規模を拡大することで、ICT投資や専門人材の確保を可能にする。
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実務プロセスの明確化: 資産調査(デューデリジェンス)や、統合後の組織文化の融合(PMI)の手順がより具体化されました。
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地域福祉の継続: 単なる法人の存続ではなく、「その地域の福祉サービスをどう守り抜くか」という視点が強調されています
これまで「合併」や「譲渡」という言葉には、どこか苦渋の決断という、後ろ向きなイメージが付きまとっていたかもしれません。しかし、今回の改定が示すのは、それらが「地域福祉を次世代へつなぐための、勇気ある前向きな選択肢である」ということです。特に私が共感したのは、単なる帳簿上の統合だけでなく、「組織文化の融合」や「地域サービスの継続」に深く踏み込んでいる点です。 ICTの活用や専門人材の確保は、今の時代、一つの法人だけの努力では限界があるのも事実です。手を取り合うことで経営基盤を強くし、職員の皆様がより良い環境で働けるようになる。それは、そこで暮らす利用者様の幸せに直結します。
2. 専門家としての「憂い」と「願い」
地方において、社会福祉法人は単なる福祉サービスの提供者ではありません。 子どもたちが健やかに育つ場所であり、障がいを持つ方が自分らしく生きる拠点であり、そして人生の最期を安らかに迎える「終の棲家」でもある。いわば、地域のすべての世代の「安心」を支える、かけがえのない柱です。しかし、その重責を担う現場の現実は、決して楽なものではありません。「地域のために、自分たちの代でこの場所を閉じるわけにはいかない」 そんな強い使命感を抱く理事長先生方が、時に孤軍奮闘され、心身ともに疲弊してしまっているケースも少なくありません。もし運営が立ち行かなくなり、地域からこの大切な福祉の灯が消えてしまったら……。 それは、今そこで過ごされている方々やそのご家族だけでなく、地域社会全体にとっての大きな損失です。それだけは、何としても避けなければならない。これが私の切実な願いです。
実は私自身、母親が特別養護老人ホームでお世話になっており、社会福祉法人の存在に日々救われている家族の一人でもあります。家族の立場になって初めて、現場を守ることの尊さを改めて痛感しました。「支える側」である皆様が、一人で悩みを抱え込まず、安心して運営に専念できる環境をつくりたい。 専門家として、そして一人の家族として。地域福祉の未来を支える皆様と共に歩み続けたいと考えています。
3. 会計士・税理士としてできること
合併や事業譲渡には、複雑な財務調査や非営利性を担保するためのスキーム構築が不可欠です。
私は、社会福祉法人に関与する会計士・税理士として、数字を管理するだけが仕事ではないと思っております。
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法人の理念を次世代へどう繋ぐか
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職員の皆様が安心して働き続けられる体制をどう作るか
こうした課題に対し、財務と税務の専門知識を武器に伴走したいと考えています。
「まだ大丈夫」と思っている段階でのご相談こそが、未来の選択肢を広げます。
地域の福祉を守るため、まずは経営の健康診断から始めてみてはいかがでしょうか。
おわり
